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Hameeの営業赤字転落は、本業悪化なのか――前年をそろえると見える回復の条件

・ 約4分で読めます ・ 文責: けいすけ@有報全部読む

Hameeの営業赤字転落は、本業悪化なのか――前年をそろえると見える回復の条件の図解ポスター

「営業赤字に転落した会社は、本業も前年より悪くなった」と思われがちです。ところがHameeの今回の営業損失は、今も残る事業だけで比べると縮小していました。私は、赤字という水準と、改善しているかという方向を分けて読みました。

Hamee(ハミィ、3134)は、スマホケースの「iFace」、化粧品の「ByUR」、ゲーミング用品の「Pixio」などを企画し、ネット通販や小売店への卸で販売する会社です。前期の連結売上は約221億円。EC事業者を支えるソフトウェアも営んでいましたが、現在は消費者向けブランド事業が中心です。前期決算

目次
  1. 赤字転落なのに、赤字が縮んだ?
  2. ソフトウェアの利益が外れ、ブランドだけで費用を負担する
  3. 改善の全部を、来期へ持ち越せるわけではありません
  4. 秋商戦で見るのは、売上だけではありません
  5. 今日、監視表をどう変えるか

赤字転落なのに、赤字が縮んだ?

9月14日公表の5~7月期は、営業利益が前年の1億7,103万円から、1,485万円の損失へ変わりました。この連結数字自体は正しいです。決算短信

ただし、前年にはEC支援サービス「ネクストエンジン」を運営するNEの業績が含まれています。NE株式を株主へ分配するスピンオフは2025年11月1日に効力が発生し、同月4日にNEが独立上場しました。会社を分けた日と上場日は別です。分離・上場の開示

会社が示すNE除外後の参考値では、前年同期の営業損失は1億8,500万円。百万円単位の比較では、前年のマイナス185に対し、今回はマイナス14です。売上も、連結全体との比較では12.9%減ですが、NEを除くと7.2%増になります。比較表

「赤字へ悪化した」と「残る事業の赤字が縮んだ」は、比較する会社の範囲が違うため両立します。 ただしNE除外値は会社の参考値であり、過去の法定連結決算を置き換える数字ではありません。

ソフトウェアの利益が外れ、ブランドだけで費用を負担する

分離後は、EC支援の利益をHameeの利益に足せません。iFaceやByURなどが、広告・物流・人員に加えて本部費用まで負担できるかが評価の中心になります。

この切り替わりは、EDINET(edinet-insight)で確認した有報の事業内容にも表れています。ネクストエンジンは引き続きHameeの受注・在庫管理に使われますが、分離後は外部サービスです。利用していることと、その提供会社の利益が連結に入ることは違います。有報の確認先

今期の事業利益は3億2,800万円ですが、これは本部費用を加え戻した会社指標です。全社の営業利益とは違います。私は、ブランドの黒字だけでなく、最後に全社費用を負担できるかを見る必要があると考えます。

改善の全部を、来期へ持ち越せるわけではありません

化粧品のビューティー事業は、取扱店拡大などで売上が51.0%増え、事業損益は7,000万円の赤字から6,200万円の黒字へ変わりました。販促費を使いながら利益が残った点は前進です。ただし会社は、前期末の商品評価損の戻入が当期計上分を上回った影響もあると説明しています。事業別説明

海外事業の改善にも、韓国の退職給付費用増の一巡と米国関税の還付が含まれます。還付は売上原価を減らすので営業利益を押し上げますが、同じ金額が次の四半期にも続くとは置けません。両事業の一時要因の個別金額は、今回確認できた資料では未確認です。

回復を見るには、連結範囲をそろえたうえで、関税還付と在庫評価の影響を分ける必要があります。 「赤字転落だから一律に悪化」も、「赤字縮小だから回復完了」も、この段階では早計です。

秋商戦で見るのは、売上だけではありません

iFaceを含むモバイルライフ事業は、販売点数を前年並みに保ち、高価格帯への構成変化で増収となりました。一方、広告や新商品の準備費用が先行して減益でした。単価が上がっても、顧客獲得や新カテゴリーの費用が増えれば、そのまま利益にはなりません。販売・費用の説明

ここからの見立ては、既存ブランドの販売網を新商品にも使い、追加の粗利が販促・物流・本部費用を上回れるか、というものです。会社が先行投資と呼ぶ費用も、毎年の新商品に必要なら繰り返し発生します。新ブランドByGLOWの収益貢献は会社自身が次期以降と説明しており、全投資の回収を今期下期に求める読み方もしません。

強気に読む条件は、化粧品の黒字が評価損戻入に頼らず続き、スマホ関連も通常の販売で費用を吸収することです。逆に、売上が増えても販促費がそれ以上に膨らみ、在庫の処分や追加評価損が必要になれば、回復の見立てを弱めます。通期営業利益5億200万円の予想は据え置きですが、達成はこれからです。通期予想

今日、監視表をどう変えるか

Hameeの欄には「NE除外での比較」「関税還付・在庫評価の影響」「本部費用を負担した後の営業利益」を加えます。

まず9月15日掲載予定の決算動画で、還付と評価損の影響、費用回収の時期を確認します。掲載予定は短信にありますが、今回の取得では動画本体の公開完了までは確認できていません。決算動画

次は9月18日です。Appleが案内するiPhone 18 Proシリーズの販売開始を、周辺商品の供給と販売状況を見る起点にします。予約開始や発表とは別の段階で、Hameeの売上計上を保証する日ではありません。販売開始の案内

次回中間決算の具体日は未確認のため、12月1日を自分の確認日に設定し、公式IRカレンダーを開きます。その決算では、NE除外後の前年同期比較と、化粧品・スマホ関連の事業利益、在庫、本部費用を並べ、通常の販売で黒字を積み上げられたかを確かめます。

本記事は情報提供目的であり、投資助言ではありません。