有報全部読むノート
上場約3,800社の有価証券報告書・決算短信・適時開示をプログラムで読み、役員報酬・株数の増減・持ち合い・記述の変化など、決算書の表紙には出てこない数字を出所つきで整理する調査ノートです。個別銘柄の売買推奨はしません。
新着記事
電算の上期利益予想は2.6倍。年間の稼ぐ力も上がった?
「上期の利益予想が大幅に上がれば、年間の稼ぐ力もその分だけ強くなった」と思われがちです。電算の経常利益予想は上期だけなら約2.6倍になりましたが、通期は据え置きでした。今回は、この差を確かめます。
ジョイフル本田は日用品の安売り店? 売上の56.6%を占める「住まい」の稼ぐ力
「ホームセンターは日用品を安く売るだけで、価格競争から抜け出せない」と思われがちです。ところがジョイフル本田の2026年6月期は、売上の56.6%が資材、園芸、リフォームなどの「住まい」分野でした。9月15日提出の有報の販売実績から計算し…
ニプロのCB転換、自己株式を使っても1株利益は薄まる?
「転換社債の転換に自己株式を使えば、その分は1株利益を薄めない」と思われがちです。ニプロの新しい開示では、交付した約2,093万株のうち約766万株が自己株式でした。私は、新株発行数だけを見ると株主側の変化を見落とす事例だと読みました。
原油高で上がるENEOS、増益はどこまで続くのでしょうか
「原油高なら、石油元売りの稼ぐ力も強くなる」と思われがちです。ところがENEOSの開示では、在庫の影響を除いた石油製品ほかの増益1,250億円のうち、834億円が「タイムラグ」による寄与でした。決算説明資料を読むと、油価だけでは説明できな…
FC化で身軽になる? ジョイフルが77億円の工場を持つ理由
「外食チェーンはフランチャイズ(FC)化を進めれば、本部の設備・人件費負担が軽くなり、安定して稼げる」と思われがちです。ところがジョイフルの新しい有報には、77.18億円の工場新設計画が載っています。FC化と大型投資が同時に進んでいます。
森ヒルズリートの分配金3,100円は、家賃の稼ぐ力で支えられるか
「REITの分配金が安定していれば、家賃から稼ぐ利益も安定している」と思われがちです。ところが森ヒルズリートは、次の2期とも分配金3,100円を予想しながら、1口利益は2,950円、2,831円と見込んでいます。決算短信
Hameeの営業赤字転落は、本業悪化なのか――前年をそろえると見える回復の条件
「営業赤字に転落した会社は、本業も前年より悪くなった」と思われがちです。ところがHameeの今回の営業損失は、今も残る事業だけで比べると縮小していました。私は、赤字という水準と、改善しているかという方向を分けて読みました。
カプコンは新作ヒット次第? 販売の83.7%を占める過去作の稼ぐ力
「ゲーム会社の業績は、新作が当たるかどうかで決まる」と思われがちです。ところがカプコンの2026年3月期は、販売本数の83.7%が前期以前に発売したリピート作品でした。有報の総販売本数とリピート本数から計算した割合です。
北川鉄工所の配当46円増額は、翌期も続く「還元強化」ですか?
大幅な増配なら、会社が利益を株主へ回す割合も引き上げたと思われがちです。でも北川鉄工所の年間配当予想110円は、旧予想から46円増える一方、前期実績からは8円増にとどまります。9月11日の開示を読むと、私は「還元姿勢が新しく変わったのか」…
EBITDA27.8%増で買収は成功? アインHDは利息と返済まで見る
買収でEBITDAが増えれば、株主に残る利益も同じように伸びると思われがちです。ところがアインホールディングスの今回の決算は、EBITDAが27.8%増なのに経常利益は8.0%減でした。私は、買収の成果を測るには、利益がどの段階で細くなる…
紙は成熟産業? ニッポン高度紙の利益率19.0%を生む電子部品の仕事
「紙の会社は、デジタル化で需要が減る成熟産業だ」と思われがちです。ところがニッポン高度紙工業の2026年3月期の営業利益率は、計算すると19.0%でした。有報にある稼ぎの源泉は、AIサーバーなどで使われる電子部品です。
丹青社40.5%減益――内装需要は弱くなったのでしょうか
「大幅減益なら、その会社への需要も弱くなっている」と思われがちです。ところが丹青社の上期営業利益は前年同期比40.5%減でも、期初の上期計画を11.4%上回りました。私は、減益率だけで需要の強弱を判断できない決算だと読みました。決算短信と…
オハラ、AI向け売上は倍増へ。前年比増益を支えるのは光事業
AI向けの売上が急増する会社なら、全社の増益もAI関連事業が引っ張ると思われがちです。ところがオハラの今期計画を分解すると、前年比の営業増益約3.06億円のうち、約3.00億円はカメラ向けなどの「光事業」の赤字縮小でした。私は、AI向けの…
KDDI株を売った京セラ、ROE4.3%を変えるのは何か
「政策保有株を売れば、企業価値は上がる」と言われます。京セラは2026年3月期にKDDI株を約2,500億円売却しました。一方、同年度の電子部品事業の利益率は2.0%です。有報を読むと、資産を動かす改革と、事業で稼ぐ改革の距離が見えてきま…
クミアイ化学の利益下方修正は、在庫評価損が終われば回復するのでしょうか
「在庫評価損は一時的なので、翌期の利益は元に戻る」と思われがちです。ところがクミアイ化学は、売上予想を引き上げる一方で、営業利益予想を72億円から27億円へ減額しました。9月11日の開示を読むと、私は「評価損が消えること」と「利益を稼ぐ力…
技術で強いレーザーテックは、なぜ14.3%減益なのか
技術で優位に立つ半導体装置メーカーは、利益も安定して伸びると思われがちです。ところがレーザーテックの2026年6月期の営業利益は、前期比14.3%減でした。会社の業績報告にある数字です。
値上げしたサトウ食品が87.5%減益。コメが安くなれば回復する?
値上げできる会社は、利益も守れると思われがちです。ところがサトウ食品は、パックごはんを値上げした後の5~7月期に営業利益が87.5%減りました。9月10日の決算短信を読み、私は「値上げの実施」と「値上げ後も選ばれること」を分ける必要がある…
食品7割でも利益率5%——ゲンキーの安売りは、どこまで増やせるか
食品を安く売るドラッグストアは、集客できても利益が薄いと思われがちです。ところがゲンキーの2026年6月期の営業利益率は約5%でした。決算短信の数字です。安売りを続けながら、なぜこれだけ残るのでしょうか。
積水ハウス16%増益は、米国住宅の回復を意味するのでしょうか
「住宅会社の営業増益は、新築住宅需要の回復を示す」と思われがちです。ところが積水ハウスの中間決算は、連結営業利益が16.0%増える一方、国際事業は93.2%減益でした。決算短信の内訳から、この食い違いを確かめます。
アシックスの自社株買い、2,000万株と2,500万株は足せません
「自社株買いに消却が加われば、1株利益は二重に増える」と思われがちです。アシックスが9月9日に発表したのは、上限2,000万株の取得と2,500万株の消却ですが、4,500万株分の利益押し上げにはなりません。私は、この二つを足さずに読むこ…